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Q16:保存的療法はどんなことをするの?

院長ブログ

Q16:保存的療法はどんなことをするの?

A:保存的療法で取られるのは主に以下の4つです。

    1. 体重管理:股関節への負荷を減らすため、体重の管理が大切です。しかし、股関節の悪い患者さんは運動も制限されるので、なかなか痩せられないのが現状です。自己流のダイエットで痩せようとすると、既存の機能・能力を損ない、さらに精神的ストレスも溜まるためよくありません。肥満の方は、栄養士の指導を受けて、しっかりしたカロリー計算に基づいた食事を摂ることをお勧めしています。
    2. 運動療法・筋力強化:体重の管理と同時に、体を支える筋力の強化も大切です。そのため自宅での運動療法・筋力強化をおこなっていただきます。大腿四頭筋などの太ももの筋肉や、股関節周囲筋の筋力強化を、関節に体重をかけない臥位や座位で行う必要があります。自主トレーニングを主体とすべきで、スポーツジムにあるような器具を用いたトレーニングは、股関節症の患者さんにとっては負担が大きすぎ、関節や筋肉を傷めたり、軟骨を減らしたりする場合があるので注意してください。プールでのトレーニングは、股関節症の患者さんにとって理想的な方法といえます。ただし、夏でも冷たいプールは避け、水温一定のプールで、自分の関節の状態、筋力・体力に合わせて行うことが大切です。プール内歩行は、浮力により股関節への負担が軽くなり、無理なく安全に筋肉が鍛えられます。水深は胸の高さが理想的で、胸に水圧がかかるので、呼吸・循環機能も同時に鍛えられます。水泳は、クロールやビート板を使用したゆっくりとしたバタ足を行なってください。平泳ぎは、股関節の大きな動きを伴い、また股関節への抵抗が強く、さらに腰も痛めやすいので、行うべきではありません。但し、前・初期股関節症の患者さんであれば、水に浮いているようなゆっくりとした平泳ぎなら良いでしょう。
    3. 温熱療法:関節や筋肉の痛みを和らげ、血液の流れをよくします。ホットパックや極超音波のほか、温泉や家庭での入浴も効果的です。
    4. 薬物療法:消炎鎮痛剤(除痛目的)が使われますが、あくまでも対症療法(除痛)で原因療法(病気を治す)としての効果はありません。しかも、長期連用は胃腸障害や肝臓・腎臓などへの副作用を引き起こす危険があります。また痛みがとれて無理をしてしまえば逆に股関節症を進行させてしまいます。あくまでも他の保存療法との併用・補助と考えてください。消炎鎮痛剤入りのパップ剤(湿布薬)や軟膏は、副作用が少なく使いやすいですが、皮膚の弱い方はかぶれに注意してください。

<注意!>

各種のサプリメント:グルコサミン、サメの軟骨、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸などが、軟骨を再生するとして市販されています。かなり以前より臨床治験が行われていますが、その効果については未だに明らかではなく、医薬品としては認可されていません。服用する場合 [疼痛の改善に役立つ可能性はあるが、軟骨の再生機能については今後の研究待ち] ということを理解しておく必要があります。