術後の変化
股関節疾患にお悩みの全ての患者様に対して、外来リハビリテーション、入院リハビリテーションを提供します。
患者様一人一人の症状や治療方針に合わせて、理学療法士が個別でのリハビリテーションを行います。
保存的治療の場合
股関節痛の軽減、負担の少ない生活を送ることが出来るように、その方の症状に合わせた理学療法・運動指導・生活指導を外来リハビリテーションにて行います。
手術的治療の場合
手術後の早期回復、より速やかに日常生活に戻ることが出来るように、担当の理学療法士が身体機能回復をサポートします。また、退院後はその方の症状や生活に合わせて、外来リハビリテーションを継続していきます。
運動の紹介
筋肉は股関節のサポーターです。
運動を行い、股関節周囲の筋力を強化することで股関節への負担軽減、疼痛軽減に繫がります。また、筋力があっても柔軟性が低下した筋肉は十分に力を発揮出来ません。運動とストレッチを合わせて行い、柔軟性のある強い筋肉を作りましょう。
股関節疾患にお悩みの方に限らず、綺麗な姿勢や歩行を獲得するためには、股関節周りの筋力強化や柔軟性を得る事はとても重要です。
歩くことは生活習慣病の予防など健康維持には欠かせません。しかし、筋力強化を目的とする場合は違います。沢山歩くことよりも、足りない筋肉を選択的に鍛える運動のほうが股関節の負担を減らすためには効果的と言えます。
下記に股関節周囲の筋肉に有効なストレッチ、筋トレを動画でご紹介します。
ストレッチは伸びる筋肉を、運動は使う筋肉を意識して行うことでより効果が得られます。ストレッチはゆっくりと20秒間伸ばしましょう。
手術後の方については担当医師、理学療法士の指示に従い行って下さい。
① 臥位で行うストレッチ
- お尻(臀筋群)のストレッチ
テニスボールをお尻の下に入れ、上下、左右に動かします。お尻の筋肉の凝りを柔らかくします。 - 太もも内側(内転筋)のストレッチ
仰向けで片膝を立て、そのまま外側にゆっくり倒します。
伸びる場所:太ももの内側の筋肉
*反対側の骨盤が浮くまで無理に広げないようにして下さい。 - お尻(外旋筋群)のストレッチ
注:手術後の方は脱臼の恐れがありますので実施しないでください!
仰向けに寝て両膝を立て、片足の踵をストレッチする側の膝上にかけ内側に倒します。
伸びる場所:お尻、太ももの外側 - 太もも前面(大腿四頭筋)のストレッチ うつ伏せで寝て膝を曲げ、手で足首を掴みます。
伸びる場所:太ももの前面
② 坐位で行うストレッチ
- ジグリング(貧乏ゆすり)
爪先を床に着けたまま踵の上げ下ろしを繰り返します。また、足を広げて閉じる様に横のジグリングも行いましょう。股関節周りの血流を促し、筋肉の柔軟性を保つ効果があります。1度になるべく長く行うことが効果的です。目安としては10分以上が良いでしょう。何かをしながら(テレビを見ながら等)行いましょう。
③ 立位で行うストレッチ
- 骨盤ストレッチ
足を肩幅より広げて立ち、腰だけをゆっくりと左右に動かします。
伸びる場所:骨盤~太ももの外側
*反動をつけて腰を左右に振らないようにしましょう - 股関節前面(腸腰筋)ストレッチ
ストレッチする足を1歩後ろへ引き(爪先を真っ直ぐに)、前に出した足の膝をゆっくり曲げます。
伸びる場所:股関節前面
④運動
- 足上げの運動 足がしっかりつくように座り、付け根を意識しながら足を上げ5秒間保持します。
使う筋肉:股関節屈筋群
*体が後ろに倒れないよう、体と座面を直角に保って行うと効果的です。 - お尻上げの運動 仰向けに寝て両膝を立て、お尻を上げます。お尻に力を入れながら5秒間保持し、ゆっくり下げます。
使う筋肉:股関節伸筋群
*腰をそらさないようにしましょう。 - 横上げの運動 横向きに寝て、上側の足の膝を伸ばした状態で上げて5秒間保持します。
使う筋肉:股関節外転筋群
*足を斜め後ろの方向に上げるよう意識しましょう。