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MIS/ナビゲーションシステム

MIS/ナビゲーションシステム

エム・アイ・エス Minimally Invasive Surgery

MISとは、Minimally Invasive Surgery(最小侵襲手術)の略で、皮切(mini-incision=切開)をできる限り小さくし、筋肉や靭帯へのダメージを最小限にして患者様の負担を少しでも軽くしようとする手術手法です。

近年、短く小さな皮切を用いた人工股関節置換術(THA)が行われており、最近では 8cm 前後の皮切で実施されています。

しかし、当院では開院以来 MIS を導入し、皮切は 7cm で実施しております。
これは、

  • 患者様への侵襲=筋肉へのダメージが少ない
  • 早期退院・早期社会復帰が可能になる
  • 美容的に傷が目立たない

等のメリットがあるという点からです。

ナビゲーションシステムとは?

ナビゲーションシステムとは、車に取り付けるカーナビのようなもので、高精度な光学式カメラを使用して手術中の患者様の手術箇所と手術器具の位置関係を画面に表示する事を目的とした医療機器です。
切開のサイズが小さいため、医師の視野が狭くなってしまうMISの実現に役立っているのがナビゲーションシステムです。
ナビゲーションシステムは高額なため、国内普及率は2017年度で未だに14%程度となっており、導入している医療機関は少ないのが現状です。

ナビゲーションシステムが優れている点

画面に股関節の形状や位置がリアルタイムに表示されるため、手術をする医師は正確かつ、安全に手術を行うことができます。
インプラントは、どんな位置、角度でもよいというわけではありません。
至適な位置、角度に設置しないとインプラントどうしがぶつかり(インプラントインピンジメント)、脱臼が生じます。これを防ぐためには適切な術前計画と正確なインプラント設置が重要となります。
術前に患者様一人一人のレントゲン・CT撮影結果から設計図をシステムに登録し、その3次元データをもとに術前計画を綿密に立てます。手術室では、そのナビゲーションを頼りに計画通りの手術を正確に再現できます。

ナビゲーションシステムのメリット
  1. 適切な位置にインプラントが設置できることにより、脱臼等の合併症の低減、インプラントの長期耐用年数を期待できる、再置換術の減少を期待できます。
  2. あまり知られていないことですが、C-アーム(X線透視装置)を使用しないことにより、患者様及び医療従事者がX線被爆なしで手術を受けられます。
  3. ナビゲーションシステムを使用すると医師の術前プランニングの負担が大きく、手術時間がかかる場合があります。しかし当院では、ナビゲーションシステムの使用を10分程度に抑え、手術時間を極力短くなるよう工夫しています。

ナビゲーションシステムの仕組み

自動車に搭載されているカーナビゲーションと似た原理ですが、ナビゲーションシステムの場合は人工衛星の電波ではなく、赤外線カメラを使用して患者様や手術器具の位置を検出します。
検出した器具の位置情報はコンピューターで立体的(3次元)に即時計測され、リアルタイムに股関節の形状や位置関係を画面表示して、手術支援を行います。

人工股関節手術で使用するナビゲーションシステム