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【中途視覚障がい老人の一言④】

【中途視覚障がい老人の一言④】

[私の知り合いであり、尊敬する人物でもある方からのメッセージです]

「視覚障がい者誘導用ブロック」って何なの・・・その2
 駅舎や駅ホームでの視覚障がい者誘導用ブロック

現在では視覚障がい者誘導用ブロック(以下誘導用ブロックと記す)があちこちに敷設され、全盲となった私の外出時に大いに役立っております。しかし、この誘導用ブロックの意議や目的を知らないのか?知っていても無視しているのか?白杖を頼りに一人歩く盲人の妨げとなっている人々がいるのです。
 
● 移動円滑化基準
 移動円滑化のために必要な旅客施設及び車両等の構造及び設備に関する基準 (2000年11月1日:運輸省・建設省令第10号)
 
視覚障がい者誘導用ブロック関連の抜粋
 (定義)
第一条 この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 視覚障がい者誘導用ブロック:線状ブロック及び点状ブロックを適切に組み合わせて床面に敷設したものをいう。
二 線状ブロック:視覚障がい者の誘導を行うために床面に敷設されるブロックであって、線状の突起が設けられており、かつ、周囲の床面との色の明度の差が大きいこと等により容易に識別できるものをいう。
三 点状ブロック:視覚障がい者に対し段差の存在等の警告又は注意喚起を行うために床面に敷設されるブロックであって、点状の突起が設けられており、かつ、周囲の床面との色の明度の差が大きいこと等により容易に識別できるものをいう。
 (移動円滑化された経路)
第四条 公共用通路(旅客施設の営業時間内において常時一般交通の用に供されている一般交通用施設であって、旅客施設の外部にあるものをいう。以下同じ。)と車両等の乗降口との間の経路であって、高齢者、身体障害者等の円滑な通行に適するもの(以下「移動円滑化された経路」という。)を、乗降場ごとに一以上設けなければならない。
七 移動円滑化された経路を構成するエレベーターは、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
十 かご内に設ける操作盤及び乗降ロビーに設ける操作盤のうちそれぞれ一以上は、点字がはり付けられていること等により視覚障がい者が容易に操作できる構造となっていること。
 (移動円滑化のための主要な設備の配置等の案内)
第十一条 公共用通路に直接通ずる出入口(鉄道駅及び軌道停留場にあっては、当該出入口又は改札口。次項において同じ。)の付近には、移動円滑化のための主要な設備(第四条第三項前段の規定により昇降機を設けない場合にあっては、同項前段に規定する他の施設のエレベーターを含む。以下この条において同じ。)の配置を表示した案内板その他の設備を備えなければならない。ただし、移動円滑化のための主要な設備の配置を容易に視認できる場合は、この限りでない。

二 公共用通路に直接通ずる出入口の付近その他の適切な場所に、旅客施設の構造及び主要な設備の配置を音、点字その他の方法により視覚障がい者に示すための設備を設けなければならない。
 (視覚障がい者誘導用ブロック等)
第八条 通路その他これに類するもの(以下「通路等」という。)であって公共用通路と車両等の乗降口との間の経路を構成するものには、視覚障がい者誘導用ブロックを敷設し、又は音声その他の方法により視覚障がい者を誘導する設備を設けなければならない。ただし、視覚障がい者の誘導を行う者が常駐する二以上の設備がある場合であって、当該二以上の設備間の誘導が適切に実施されるときは、当該二以上の設備間の経路を構成する通路等については、この限りでない。
二 前項の規定により視覚障がい者誘導用ブロックが敷設された通路等と第四条第七項第十号の基準に適合する乗降ロビーに設ける操作盤、第十一条第二項の規定により設けられる設備(音によるものを除く。)、便所の出入口及び第十五条の基準に適合する乗車券等販売所との間の経路を構成する通路等には、それぞれ視覚障がい者誘導用ブロックを敷設しなければならない。ただし、前項ただし書に規定する場合は、この限りでない。
三 階段、傾斜路及びエスカレーターの上端及び下端に近接する通路等には、点状ブロックを敷設しなければならない。
 (視覚障がい者誘導用ブロックの設置の例外)
第二十四条 旅客船ターミナルにおいては、乗降用設備その他波浪による影響により旅客が転倒するおそれがある場所については、第八条の規定にかかわらず、視覚障がい者誘導用ブロックを敷設しないことができる。

 ● JR東日本のホームページから引用します。
 目の不自由なお客さまへ です。
 点字運賃表:自動券売機のそばには、点字運賃表が設置されておりますので、ご利用ください。運賃表は券売機の横、目の高さに掲示してあります。なお、長距離の場合など、運賃表にない場合には係員までお尋ねください。
 点字運賃表整備駅(2009年度末) 752駅
 自動券売機:タッチパネル式券売機(傾斜型券売機)には、数字のテンキーが付いており、金額の数字を押してきっぷを購入することができます。近距離きっぷをご購入いただけるほか、Suica(スイカ)対応券売機では「チャージ(入金)」も行うことができます。また、テンキーの「*」を押していただくと音声ガイダンスがはじまりますのでガイダンスに従ってご購入いただけます。
 点字券売機導入駅数(2009年度末) 927駅
 視覚障がい者誘導用ブロック:駅のホームやコンコースにおいて、目の不自由なお客さまのために、視覚障がい者誘導用ブロックを設置しております。
 視覚障がい者誘導用ブロック導入駅数(2009年度末) 
 ホーム    1376駅
 コンコース 1083駅
 階段の手すり:駅のホームにある階段の手すりには、点字テープ等が貼付されており、列車の番線や出口などを案内しています。
 点字案内付き手すり導入駅数(2009年度末) 741駅

 誘導チャイム:自動改札の駅係員のいる通路には改札位置をお知らせする誘導チャイムを設置しております。
 誘導チャイム設置駅数(2009年度末) 466駅
 
  「自動券売機・点字券売機導入駅数」と記されていますが、「自動券売機・点字券売機」とは標準の言葉なのでしょうか? アクセシビリティガイドによれば、この券売機は駅では「タッチパネル式券売機」という名前で呼ばれています。タッチパネルがバリアフリーなのではなく、点キーがついていて、音声で案内することがバリアフリーなのです。
 この券売機の呼び方をはじめ、大規模な企業でありながら、視覚障がい者が見やすいサイトとはなっていません。文字間のスペース・読点・句点は曖昧な付け方であって、視覚障がい者が、音声ソフトを使って、サイトノ閲覧をすることなど考慮に入らないようなサイトの作成です。どのようなサイトであっても、視覚障がい者の音声でのサイト閲覧に、支障の無いようにサイトは作製していただきたいです。それがバリアフリーの一つと考えられるのです。

 ○ 誘導用ブロックを使い歩いていて、妨げの例を挙げれば多々有りすぎて例とはなりませんが、それでもその中より幾つかを挙げて、皆様に盲人が歩く際の妨げとなることを防いでいただきたいです。
1 コンコースの歩行で・・・ 駅舎や駅構内での誘導ブロック。
 JR東日本の大宮駅舎と駅は、きれいに増改築されました。その増改築に合わせて誘導ブロックも敷設されました。しかし、駅舎や駅構内を行き交う人々にとって、誘導ブロックの存在は認識されているのか疑問に感じるのです。
 駅係員に誘導ブロックを有効に使えるよう、行き交う人々に注意をお願いしたいとたのんでも、人々のモラルの問題であって、利用者の意識改革は難しいと言い続けられています。それでも駅構内では、駅構内放送によって、「駅舎と駅構内の黄色の点字ブロックは、身体に障害の有る方々の誘導に敷設されているので、誘導ブロックの上に物を置いたり、立ち止まらないように・・・」と定期的に放送されています。しかし、放送の最中でも、誘導ブロック上を歩く私に、正面から衝突してくる人が少なくありません。時には、誘導ブロック上を歩いている人に私が追突してしまう。すると追突された人が、「何をするのだ・・・」と振り向きざまに私を叱咤する。その直後に私に追突された人は、私の周囲から人のいる雰囲気を感じさせなくなるのです。
 誘導ブロックの意議や目的を皆様に知っていただき、白杖を携え誘導ブロック上を歩く視覚障がい者の歩行の妨害をしないで下さい。
 また駅等の公共施設内では、誘導用ブロックを敷設して責務が終わったのではなく、それが実際に機能するように利用者に徹底させる義務も有るのではないだろうか? それがバリヤフリー法の根幹であると思うのだが・・・

 2 駅ホーム上の誘導ブロック
 駅ホーム上に有る黄色の点字ブロックは、二つの目的を持っているようです。一つは、電車を待つ人々に、線路に近づかないように知らせる線の役目。また一つは、視覚障がい者の誘導ブロックなのです。
 駅のホーム案内で、「電車が近づくので黄色の線の内側でお待ち下さい。」と案内されています。しかし待つ人の中には、黄色のブロック上に立ったり物を置いて、誘導ブロックの役割を妨害している人がいるのです。

  それどころか、怖いことが有ったのです。
 私が誘導ブロックに従い歩いていた時、物に白杖が当たったと感じた時、線路に向かって突き飛ばされたのです。びっくりしながらも線路上に落ちることを踏み止まった私は、白杖でブロック上を速く強くさすったのですが、何にも当たることは無く、「何をするのか?」と尋ねても応答する人はいないのです。その周囲には、少し離れて数人の人の声が聞こえていても、反応する人はいないのです。
 白杖を持つ者と認識する以前に、突き当たった者として対応したのでしょうが、自分が誘導用ブロック上に乗っていることなど、反応した後まで認識していなかったのでしょうか?駅員やホーム上におられる方々は、誘導用ブロック上に物を置いたり、立ち止まっている人を見かけたならば、注意をお願いしたいです。杖が折れるとか・私が転ぶとか・そんな優しい間違えではなく、命に関わる事故に繋がるのです。
 
3 エスカレーターに向かう誘導ブロックは・・・?
 「改札口からホームへ・ホームから改札口へ・乗り換えの為にホームからホームへ」と移動する時、誘導ブロックでは階段とエレベーターに導くだけであって、エスカレーターには導く誘導ブロックは無いのです。
 エスカレーターに誘導ブロックが導かない理由を駅員に尋ねたところ、「視覚障がい者がエスカレーターを使うことが危険であるから・・・」との返答でした。何故に視覚障がい者のエスカレーター使用は危険なのでしょうか?
 駅舎やホーム上には、視覚障がい者の危険な箇所は幾つもあります。例として挙げた1・2がそれに当たります。このように人為的な危険が多く、エレベーター使用が危険であると誘導しないのであれば、人為的な危険を避けられるような予防処置を早期に考えていただきたいものです。
 
 文頭で大宮駅の名称を出しましたが、このようなことが起きているのは、大宮駅だけではなく、私がよく利用する、東京駅・名古屋駅・京都駅・浜松町駅・武蔵浦和駅・南流山駅・赤羽駅等々と、利用する駅のほとんどで起きていることなのです。関係する駅の担当部門での検討をお願いしたいものです。
 
 駅舎内やホーム上で、優しく声をかけてくださる人も少なくないのです。一部のモラル無い人がいる為に、このようなクレームを一言言いたくなることを理解してください。

 ☆ 私は、あらゆる支払いを現金で行っています。それは、カードを利用しての際に、サインが必要であって、請求金額の数字の確認ができない・サインができないからなのです。
 買い物での支払い・飲食店での支払い・タクシーでの支払い等です。電車やバスの支払いは、定期券と共にシャージ済みのカードにて乗り降りしております。現金での支払いやシャージでの現金の取り扱いには注意しているのですが、時には間違えることもあり、多くの支払いをしてしまい、後に気がつくこともありますが、ほとんどの場合は受け取った人を見つけることができずに、諦めることがほとんどでした。そんなことがあたり前の世の中で、この間は心温まる経験をしたのです。
 
 夜遅くの帰宅となり、家の近くの乗換駅での乗り換え待ち時間が多く、雨も降っていたので、タクシーにて帰宅することにしました。帰宅までのタクシー代金は三千円弱で、三千円を支払いおつりはチップとして下車しました。家に入り間もなく、玄関のチャイムが鳴ったのです。妻が応対に出ると、タクシーの運転手が、「先ほど乗られた方が、支払金を間違えていました。」との話で、妻は酔っている私が支払金を間違えたのではないかと、「すみません。いくら程、足らないのでしょうか?」。「とんでもない、支払いすぎているのです。2800円程のところを3000円支払われたつもりなのでしょうが、7千円の支払いです。千円札と5千円札を間違えたようです。」と言われて、4千円を持って訪ねて来られたのです。何処のタクシー会社であったのか個人タクシーであったのか、私にはわかりませんが、とても嬉しい出来事でした。
 2014年5月2日記