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【中途視覚障がい老人の一言③】

院長ブログ

【中途視覚障がい老人の一言③】

[私の知り合いであり、尊敬する人物でもある方からのメッセージです]

「視覚障がい者誘導用ブロック」って何なの・・・その1
   歩道や道路での視覚障害者誘導用ブロック

私は鍼灸・按摩・マッサージ・指圧師の免許を取得する為に、都内阿佐ヶ谷駅近くの厚生省下部機関の中途失明者施設(国立東京視力障害者センター・元光明寮)で、1969年4月から1972年3月まで学習しました。その学習の中に、歩行練習も入っており、指導教官から白杖を使っての歩行指導を受けました。だが、あの時期に視覚障害者誘導用ブロック(以下誘導用ブロックと記す)の存在は知りませんでした。

私が誘導用ブロックを意識したのは、1985年頃のことで、勤務する職場の建物が新たに建て替えられ、それに伴い最寄り駅から敷設されたからでした。1983年から1992年までを「国連・障害者の十年」と宣言し、そのテーマは〔完全参加と平等〕で、その中に、〔障害者が日常生活において、「実際に参加すること、例えば公共建築物や交通機関を利用しやすくすること等について調査研究を奨励すること。」として国内で取り組まれていたのだろうと思うのです。

現在では誘導用ブロックがあちこちに敷設され、全盲となった私の外出時に大いに役立っております。しかし、この誘導用ブロックの意議や目的を知らないのか?、知っていても無視しているのか?、白杖を頼りに一人歩く盲人の妨げとなっている人々がいるのです。
 ●「視覚障害者誘導用ブロック」に関する基本的な設置ガイドライン
 通称「公共交通ガイドライン」と「道路整備ガイドライン」の2種が主なものです。

このガイドラインは、1994年に制定された、「高齢者・身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律(通称ハートビル法:2002年改訂)」と、2000年に施行された、「高齢者・身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律(通称交通バリアフリー法:2006年「高齢者・障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(通称バリアフリー新法)の施行に伴い廃止された。)これらによって策定されました。

「道路の移動円滑化整備ガイドライン」(通称「道路整備ガイドライン」)
 財団法人国土技術研究センターより、2003年に発行されました。
  「交通バリアフリー法」及び「重点整備地区における移動円滑化の為に必要な道路の構造に関する基準(2000年)」に基づき、道路管理者が上記基準に基づいて道路特定事業の整備を行う際の考え方として、国土交通省が策定しました。

● 2001年に日本工業規格(JIS)により、視覚障害者誘導用ブロック等の突起の形状・寸法(規格番号 T9251)及びその配列に関する規定は、下記のようになっています。
  ブロックの大きさ・・1辺30cm以上
  線状ブロックの線・・4本以上
  点状ブロックの点・・5×5以上
  点の頂部の直径・・12mm以上
  点の間隔・・中心間で55~60mm以上
  線の頂部の幅・・17mm以上
  長さ・・270mm以上
  底部・・線の頂部の幅+10mm以上
  線の間隔・・中心間で75mm以上
  点・線の高さ・・5mm以上
  他に、許容範囲なども定められている。
  なお実際の製品は、1辺が30cmの物と40cmの物が多い。線の数はほとんどの場合4本だが、点の数は多いこともある。

● 重点整備地区における移動円滑化のために必要な道路の構造に関する基準
  (2000年11月15日 建設省令第40号)
 視覚障害者誘導用ブロックに関連する箇所の抜粋
  (用語の定義)
第二条 この省令における用語の意義は、法第二条、道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第二条(第四号及び第十三号に限る。)及び道路構造令第二条に定めるもののほか、次に定めるところによる。
 一 有効幅員:歩道・自転車歩行者道・立体横断施設(横断歩道橋・地下横断歩道その他の歩行者が道路等を横断するための立体的な施設をいう。以下同じ。)に設ける傾斜路・通路若しくは階段・路面電車停留場の乗降場又は自動車駐車場の通路の幅員から、縁石・手すり・路上施設若しくは歩行者の安全かつ円滑な通行を妨げるおそれがある工作物、物件若しくは施設を設置するために必要な幅員又は除雪のために必要な幅員を除いた幅員をいう。
 二 車両乗入れ部:車両の沿道への出入りの用に供される歩道又は自転車歩行者道の部分をいう。
 三 視覚障害者誘導用ブロック:視覚障害者に対する誘導又は段差の存在等の警告若しくは注意喚起を行うために路面に敷設されるブロックをいう。
  (視覚障害者誘導用ブロック)
第三十四条 歩道等、立体横断施設の通路、乗合自動車停留所、路面電車停留場の乗降場及び自動車駐車場の通路には、視覚障害者の移動の円滑化のために必要であると認められる箇所に、視覚障害者誘導用ブロックを敷設するものとする。
 2 視覚障害者誘導用ブロックの色は、黄色その他の周囲の路面との輝度比が大きいこと等により当該ブロック部分を容易に識別できる色とするものとする。
 3 視覚障害者誘導用ブロックには、視覚障害者の移動の円滑化のために必要であると認められる箇所に、音声により視覚障害者を案内する設備を設けるものとする。
※※
 誘導用ブロックは、階段に設けられた手摺りが、地面や床に設けられていると考えていただくと理解しやすいのではないでしょうか。
  階段の手摺りを触りながら昇降する。これによって、視覚障害者は安心して、初めて使う階段も容易に昇降できるのです。慣れた階段であれば、手摺りなどを使用することも無く、白杖を頼りに昇降できます。
  地面や床に敷かれた誘導ブロックは、視覚障害者の持つ白杖と、足底の感触を頼りに誘導されているのです。手に持った白杖は、手の延長であって、地面や床の誘導ブロックを白杖の先で触りながら歩いているのです。そして、その誘導を足裏に感じる誘導ブロックの凹凸で、確かなものと認識しているのです。
  誘導ブロックは、視覚障害者の頼りになる誘導帯なのです。
 ○ 妨げの例を挙げれば多々有りすぎて例とはなりませんが、それでもその中より幾つかを挙げて、皆様に盲人が歩く際の妨げとなることを防いでいただきたいです。
 1 誘導用ブロックが敷設されている箇所が増えていますが、車道と歩道の区別を白線一本で別けている道路もあります。このような道路の場合、車や自転車が誘導用ブロック上に放置されていることが少なくないのです。
  誘導用ブロックが敷設されているので、安心して誘導されている時、突然に白杖に衝撃が起こるのです。時には、停車か駐車していた車の開けられたドアーに激突することも有るのです。駐輪していた自転車に衝突した時などには、自転車を倒してしまい、起こすこともままならないのです。車の開けられたドアーに激突した時などには、ぶつけた身体の箇所が赤く腫れたり出血したり、こぶとなったり引っかき傷としてのこる事もあるのです。痛みは強く、車を白杖で強く叩きたくなる程なのです。
  愛車を白杖で叩かれるのも嫌でしょうから、誘導用ブロック上に、自転車や車を停車・駐車しないで下さい。
  また、このような道路では、誘導用ブロック上を、車が「ゴトゴト」と音を鳴らして通り過ぎて行くことも有ります。その為なのか、誘導用ブロックが割れたり持ち上がり、視覚障害者の歩く誘導どころか転倒を導くようなことともなっているのです。このような誘導ブロックの敷設をしている道路管理者は、誘導ブロックの敷設の完了だけで安心せずに、不良箇所の点検と修繕をお願いしたいものです。
※※
  ある時、誘導用ブロック上に、車が止まっていて、私は車に激突した。運転者も見つからずに、そのままその時はその場を去った。その帰りに、最寄りの交番により注意を促し、止まっていた車の発見を求めた。その時の警察官と私の会話を聞いていただきたい。
 私:「誘導用ブロック上に止まっていた車に激突し、身体をぶつけた。誘導用ブロック上に止まっている車の取り締まりを願いたい。そして今日、私が衝突した車を見つけて欲しい。」
 警察官:「誘導ブロックの上に車が止まっているかは、警察官が管内のパトロールで見たときには注意しておきます。今日の貴方が衝突した車はどのような車だったのですか?」
 私:「どのような車か尋ねられても、わからない。」
 警察官:「色や形がわからないと、捜すこともできないですね。身体をぶつけたようですが、それ程の怪我でもないようですし、わざと車を停止していたのかどうかもわからないので、まあ不可抗力として許せませんか?」
※※
 警察官の対応はいつも同じで、マニュアルに従い質問しているように感じられる。視覚で確認する物事を、視覚の無い者に尋ねて、どのような答えを期待しているのだろうか?適切な応答をして来ない視覚障害者の訴えなど、初めから受け付ける態度も示せないのだろうか?

最近、認知症(痴呆)で徘徊する老人が、鉄道線路内に入り事故を引き起こしたことを理由に、この老人の監督不行届で妻が、鉄道会社から罰金を請求される裁判結果が出ました。罰金を求められた妻も、老人介護法での介護が必要と認められている人なのにです。誘導用ブロック上に駐輪している人や、車を止めている人は、認知症でなく認識有ると考えられるのです。もしもそうでないならば、自転車や車の運転は防止しなければなりません。こんな裁判結果を見ても、警察官が誘導用ブロック上の駐輪や停止した車に関して、もっと法や制度を糾す目で見ていていただきたいものです。

2 誘導用ブロックは、歩道にも敷設されています。それも、必ずしも広い歩道とは限らないのです。
  市街区の歩道の誘導用ブロック上に立って、車道側に白杖を伸ばせば、先端が車道に出る。内側に杖を伸ばせば、家庭のフェンスや店舗の壁等に当たる程の歩道にも、誘導用ブロックが敷設されているのです。
  このような歩道に誘導用ブロックが敷設されていては、家屋や店舗の私用によっては、この歩道で何かの作業を行うことも有るかと思えるのです。そんな出来事が、下記のようなこととして起こったのです。
※※
  白杖を頼りに誘導用ブロック上を歩いていた時、突然、何かと衝突したのです。その瞬間「何をするのだ・・・」と叱責されたのです。私には何が起きているのか理解できないでいると、「何をボケッと立っているんだ・・・。人に突き当たっておいて、何も言わないのか・・・」と、再びの叱責です。私が前の人に衝突したようなのです。それでも詳しい事情を理解できずに黙っていると、「ここでしゃがんで作業しているところに、後ろから突き当たったんだよ。突き当たったのだから何とか言って謝れ・・・」との興奮状態。私も年甲斐も無く「ここは誘導用ブロックの上、この上での作業をしているなど、そちらが悪いのでは・・・」と反論してしまったのです。これでは売り言葉に買い言葉であって、互いに気不味い関係となり、結局、私が何度かの苦情を言っている間に相手はどこかに行ってしまい、空間に文句を言っていたような感じで終わることとなったのです。
※※
  このようなことは互いに気分が悪く、避けたいものです。誘導ブロックの目的を理解されて、たとえ家の前・店舗の前であっても、誘導用ブロック上での作業を行わないで欲しいものです。また仕方なくその場にての作業が不可欠なときには、白杖を持って誘導ブロック上を歩く人がいないか確認しながらお願いしたいものです。
  万が一にも誘導ブロック上で白杖持つ人と衝突した時には、叱責しないでください。視覚障害者の歩行の誘導の為に、誘導用ブロックは敷設されたのです。皆様の理解と協力をお願いいたします。
2014年5月2日記